ハルうらら

ハルミネハル(Twitter:@Sketch_Haru)の日記用です.主に記録付けに書いていきます.

2019年11月号SOUND DESIGNER誌のギターダビングコンテストにエントリーしました.

ハルです.

先日2019年11月号SOUND DESIGNER誌のギターダビングコンテストにエントリーしましたので,その記録を書いていきたいと思います.

 

コンテストに初参加

この企画はNothing's Carved In Stoneの『Who is』という曲のギターレストラックを使って自由にギターをダビングするコンテストです.

完コピしても原曲を全く無視してもOK,とにかく自由にギターをダビングするといったコンテストになっています(一応本誌にはTAB譜も載っています).

 

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因みに私,こういったコンテストへの参加は今回が初めてで本当に右も左もわからない状態からのスタートでした.(というかDAWソフトの使い方すらよくわかっていない状態でダビング作業以前の問題だったわけですが・・・)

それでも「そのうちDTMで曲作りをしてみたいな~」とはぼんやり考えていたのでそういった意味でも非常に勉強になりました.勿論,ギターのフレーズを考えるのも非常に勉強になりました.

そもそも今まで『ギターを弾く=曲をコピーする』ことばかりで,曲の中のフレーズを考えるなんてことは全然してこなかったのであれこれ試行錯誤しながらフレーズを作っていくのはとても新鮮でした.

 

参加にあたってのコンセプトと備忘録

とはいいつつも私のダビングは結構原曲の面影が残っているようなフレーズが多いと思います.

取り掛かるにあたってのコンセプトは
『ギター演奏の腕試し.自分の好きを突っ込みまくった演奏をする.基本的に原曲の形は崩さないようにしつつ要所要所にネタをぶっこむ.』でした.

Evernoteに残していたメモをそのまま引用)


初めてというのもあったので,いきなり1から曲を作るようにフレーズを組み立てていくのではなく,原曲のフレーズやニュアンスをちょこちょこ変えつつ要所要所に自分の好きなものをねじ込んでいく事を意識しました.

以下にフレーズの組み立てについて意識したことを備忘録がてら書いていきます.
例によって完全に自分用です.

 

メインリフ
6弦,5弦の開放を使ったリフです.最初はTAB譜通りに弾こうかと思ったのですが,ギターレストラックを聴いた時Liquid Tension Experimentの『Acid rain』のようなフレット間を大きく移動するようなフレーズを入れてみたくなったので,あえて12フレットあたりで弾いて3フレットにスライドするようなポジションで弾いています.


Aメロバッキング
コンセプトの他に,全体を通して『本人がやりそうなこととやらなそうなことを意識する』点と『がっつり歪ませる』点を意識しました.

本誌インタビューでは「ハウるかハウらないかぎりぎりのポイントで弾いている」「歪ませすぎちゃうのはあまり好きではない」と載っていたのであえてがっつり歪ませて弾いてみましたバッキングについてもザクザクした音を出しつつふくよかさが消えないように弾いてみました.全体的に少し歪ませすぎたかなとも感じますがコンセプト通りにはなったんじゃないかと思います.

 

Bメロ
ここは原曲に似せてフルピッキングで弾いてます.少し邪悪な感じを出したかったので弦に擦り当てるようなフルピッキングを意識しました.コードをフルピッキングして弾いていますが,二回目の同じフレーズでは高音弦だけフルピッキングしたフレーズを重ねています.イメージとしてはゲイリームーアやジョンサイクスあたりです.

 

スイッチング
せっかくレスポールを弾いているので,間のリフにレスポールならでは(?)のスイッチング奏法を入れてみました.リフを弾いた後にハーモニクスをぽーんと鳴らしてスイッチをがちゃがちゃやってます.DAW上でフェードアウトさせているだけで,他にエフェクトをかけているわけではないのですが,なかなか上手くキマッたんじゃないかと
思います.気分はランディーローズ.最近やってる人あんまり見ない気がして少し寂しい.


サビ
私サビに1,2弦の開放弦入れるのが好きで,原曲のサビのギターフレーズも非常に私好みでした(B'zの『儚いダイヤモンド』のサビフレーズもすごく好き).なので最初はあまり弄らず原曲と同じフレーズを弾こうかと思っていたのですが,色々弄ってるうちにこんな感じになっていました.イメージは完全にザックワイルドです.ピッキングハーモニクスをガンガン入れていますが,できるだけシンプルになるように意識はしました.アルペジオなんかも入れようかと悩んだのですが,勢いを大事にしたかったので採用を見送りました.

 

サビ後リフ
原曲ではワーミーでピッチシフター的な効果を出しています.私はエクスプレッションペダルを持っていなかったので代替案として本誌でも話題となっていたピックスクラッチをリフにかぶせました.スティーブヴァイがよくやるピックの側面で8の字にシャカシャカ鳴らしてます.冗談半分でやってみたのですが意外とカッコよくハマってびっくりしました.こういったこともDTMならではでとても楽しいです.

 

タッピングとサイレン

ベースのタッピングフレーズをギターでもやってみました.
普通に弾いても面白くないので,ファズとコーラスとディレイを絡めてベース音っぽくなるように工夫してみました.途中ちょっとユニゾンさせてるのはたまたまできた産物ですが,カッコよかったのでよかったので採用.「少しそのまんますぎたかな」とも思いましたが,スラッピングでベースが目立った後にギターとベースが二人でタッピングをするステージ像は絵になるだろうな~と思い「自分がステージでやるなら」を意識して採用しました.
 

タッピングの後ろですが,サイレンのような音を出しています.
これもちゃんとギター音で,HX STOMPのディレイとコーラスと歪みエフェクターで作っています.自分はここの『Who is the Hero』の歌詞に”荒廃した雰囲気”を感じたので,”Emergencyさ”を感じさせるようなサイレンの音を入れてみました.

ただ5弦の開放を鳴らしているだけなのですが,少しでも親指のあたる位置がズレると思った音にならなくなるので結構難しかったです.
ワーミーが無い分,こういった実験的なことに色々手を出すことができたんじゃないかなと思います. 


ギターソロ

頭のフレーズは本当ならワウペダルをかまして弾きたかったのですが,
丁度最近売ってしまったため代わりにコーラスをがっつりかけて弾いてみました.そのあとは完全に手癖です.スケールとか一切気にせず勢い100%で弾きました.

中間部のフレーズですが,生方さんが『KING CRIMSONから影響を受けた』と本誌で語っていたので『21世紀の精神異常者』っぽいフレーズを入れてみました.

私もKING CRIMSONが大好きで,オマージュのような形でどこかしらにフレーズを入れようかとは考えていたので強引にねじ込んでみました.歪み量が多く,拍数も違うのであくまでそれっぽさだけですが遊び心は出せたかな?と.

最後のペンタはまんまザックワイルドです.ダビングするにあたって練習しました.チョーキングからの22Fタッピングは松本孝弘さんがよくやるやつです.ソロ~サビへの繋がりはかなり意識しました.勢いをそのままにサビになだれ込むようなフレーズにできたんじゃないかと思います.

 

 使用機材

ギター:Edwards E-LP-113LTC

知人に譲っていただきました.ヘッドが折れていて金具を入れるという超雑な修理がされていますが(ヘッドの銀色のパーツはこれ),チューニングは安定しており出音も好きです.

エフェクターLINE6 HX STOMP

小型マルチエフェクターです.Soldanoのモデリングに歪みエフェクターをかけていました.

インターフェース:Steinberg UR22mkⅡ

DAWソフト:Cubase AI

数年前に買ったインターフェースと付属いてついてきたCubaseです.今回のダビングでトラック数の最大数を知ることができたので,今後のことを考えてアップグレードしようかなと検討中です.

 

長々と書きましたが,とにかく楽しく参加することができました.聞き返してみると「もっとこうしてもよかったかな?」と思う箇所はありますが,初めてにしては上出来じゃないかと.今後の宅録活動への第一歩を踏み出せたような気がします.他のコンテストにも積極的に参加していきたいですね.

SOUND DESIGNER誌様,素敵な企画をありがとうございました!